こんにちは!今回は、白詞吐さんの「覚悟」という楽曲の歌詞を深掘りします。自問自答を繰り返しながら、人生の航海に出る覚悟を問い直す物語を紐解きましょう。
## 今回の謎
* 覚悟とは、一体何を覚悟することなのでしょうか?
* 人生を諦めかけた「僕」が、それでも「覚悟」を持って描きたいと願うものとは何なのでしょうか?
* 曖昧な自分を抱きしめ、「覚悟」を問い続ける「僕」は、最終的にどのような一歩を踏み出すのでしょうか?
## 歌詞全体のストーリー要約
1、日常への問い
漠然とした不安を抱え歩く
2、過去と現実の葛藤
理想と現実のギャップに苦悩
3、未来への決意
すべてを抱きしめ覚悟を決める
この歌詞は、「僕」が漠然とした不安を抱えながらも、目的を見つけられない日常を歩むところから始まります。過去に抱いた希望と、理想通りにいかない現実との間で葛藤し、時には諦めや自己嫌悪に陥りながらも、心の中では「欲しいもの」を秘めています。そして、最終的には、世間の評価や常識に囚われず、不完全な自分も、抱える期待も不安もすべてを受け入れ、「覚悟」を持って未来を描こうと決意する物語です。
## 登場人物と、それぞれの行動
* 登場人物は、主に「僕」という一人称で語られる**主人公**です。
* **主人公(僕)**:
* 目的もなく日々の繰り返しを歩きながら、人生の意味や自身の存在意義を問い続けています。
* かつては希望を抱いていましたが、失敗を恐れて理想と現実のギャップに苦悩し、自分を偽って立ち止まってしまうことがあります。
* 世間の評価や批判に振り回され、自分を見失いそうになりますが、心の奥底では譲れない希望や「欲しいもの」を秘めています。
* 最終的には、不安や期待、不完全な自分、そして世界そのもの全てを抱きしめ、自分の「覚悟」を問い直し、新たな一歩を踏み出そうと決意します。
* 歌詞には直接的には登場しませんが、主人公の語りかけや内省の中に、**過去の自分**や**世間の人々**の存在が間接的に描かれています。
* **過去の自分**: Aメロの「あの頃は怖いもんなんてなくて」と語られる、純粋で希望に満ちていた自分。
* **世間の人々**: サビの「誰かがいった誹謗や中傷」や二番Aメロの「良い人ねなんて言われちゃって」というフレーズから示唆される、主人公に評価や価値観を押し付ける存在。
## 歌詞の解釈
この楽曲「覚悟」は、現代を生きる私たちが直面する漠然とした不安、理想と現実の乖離、そして自己存在への問いを、一人称である「僕」の視点から深く掘り下げていきます。内省的な問いかけと、時に諦めにも似た諦観、しかしそれでもなお未来へ向かおうとする強い意志が、繊細かつ力強く描かれているように感じられます。
#### 日常の揺らぎと存在への問いかけ
冒頭のフレーズでは、何かが自分の中から「消えてきそうな気がして」いるという、漠然とした喪失感が歌われています。これは、かつて確かに存在した情熱や希望、あるいは自分自身の核のようなものが、日々の生活の中で徐々に擦り減り、失われつつあることへの予感かもしれません。日々が「繰り返し」であることに疲弊しつつも、「僕はここで歩いている」と、その場に留まらず進み続ける自身の姿が描かれます。この歩みは、まるで砂漠の中をあてもなく進む旅人のように、「何も持たず」という表現が示す通り、明確な目的や確固たる信念に裏打ちされたものではありません。空を流れる雲の動きを眺めながら、「何のために生きているのかな?」と、根源的な問いを投げかけます。
これは、現代社会を生きる多くの人々が心の奥底で抱えているであろう、普遍的な問いかけではないでしょうか。目の前のルーティンをこなしながらも、ふと立ち止まり、自分の存在意義を見つめ直す瞬間。まさに、そんな心象風景が鮮やかに浮かび上がります。都会の喧騒の中、あるいは静かな自室で、空を仰ぎ見て自問自答する、そんな光景が目に浮かぶようです。そして、サビ前の「鳴呼 傷ついたってそれだけ良いのさ」という言葉は、傷つくことすらも、もはや日常の一部として受け入れているかのような、どこか達観した諦念が漂います。人生には避けられない苦痛があるならば、それを受け入れること自体に、あるいはその経験を乗り越えること自体に、何らかの意味を見出そうとする、そんな切実な感情が込められているように思います。この言葉の裏には、傷つきながらも生きることを肯定しようとする、悲しいほどの強さが隠されているのではないでしょうか。
#### 過去への回顧と理想からの乖離
次に、Aメロの冒頭では、「繰り返しだけの日々に飽きて」「今日はちょっとサボってみただけ」と、日々の単調さに対する倦怠感が露わになります。これは、これまで無意識に従ってきた人生のレールから、少しだけ逸脱してみた、ささやかな反抗のようにも映ります。あるいは、抑圧された感情が、ほんのわずかでも自由を求めて外へと顔を出した瞬間かもしれません。「だけど僕の欲しいもの 手に入れないままで過ぎてった」という言葉には、叶えられなかった夢や、掴み損ねた幸福への後悔が滲んでいます。まるで、手のひらから零れ落ちる砂のように、大切なものが時間と共に失われていったかのような感覚です。
そして、かつて抱いていた「理想」を「どうせこんなもんだろうね」「言ってみてもいつも虚しくて そうだ 理想などくだらないと言い聞かせてた」と切り捨てる姿は、自己防衛的な諦めの感情そのものです。理想を追い求めることの辛さ、叶わない現実への絶望から、自ら理想の価値を下げてしまおうとする心の動きが読み取れます。これは、夢を語るたびに周囲に笑われたり、あるいは自分自身の限界に直面したりした経験から生まれた、痛ましい防衛機制かもしれません。
続くフレーズで、「あの頃は怖いもんなんてなくて いつも明日に希望を抱いて どこまででも行けるんだと 自分の未来に明日描いた」と、純粋で希望に満ちていた過去が回想されます。幼い頃の、無限の可能性を信じて疑わなかった自分。しかし、その輝かしい過去は、いつしか「だけどいつしかミスをおそれて カッコ悪い自分を隠して 絡まっては立ち止まったまま」の現在と対比されます。成長する過程で、私たちは誰しも、失敗を恐れ、他者の目を気にし、本来の自分を隠してしまうことがあります。社会の規範や期待に応えようとするあまり、自分らしさを見失い、身動きが取れなくなってしまう。「僕」もまた、そんな普遍的な人間心理の罠にはまってしまったのです。足元に絡みつく見えない鎖に囚われ、一歩も前に進めない、そんな苦しい状況が目に浮かびます。
#### 停滞と破滅への渇望
Bメロの「もう世界とかだれか壊してよ」という叫びは、現状への苛立ちと、自力では変えられない閉塞感からくる、究極的な願望として響きます。すべてを破壊してしまえば、この停滞した状況も、絡み合った自分も、一旦リセットされるのではないかという、危険な誘惑が垣間見えます。まるで、息苦しい密室に閉じ込められ、窓を叩き割ることを望むかのような切迫感です。しかし、同時に「答えをわかってしまうなどつまらないものだろ?」という問いかけには、不確実性や未完成な状態こそが、人生の面白さや深みを生むのだという逆説的な真理も含まれているように感じます。全てが明確になり、答えがわかってしまえば、そこに探求の余地はなく、人生は色彩を失ってしまう。そのことを「僕」は、心のどこかで知っているのです。
「晒しちゃうのが怖くなったか?」という言葉は、隠し続けてきた弱い自分を曝け出すことへの恐怖。自分自身の不完全さや欠点を世間に、あるいは自分自身にさえも直視させることへの抵抗です。そして「膝をつき仰いだままで生きてくのか?」という問いは、このまま諦めて、下を向いたままで人生を終えるのか、という痛烈な自己批判です。この問いは、深い絶望の中にありながらも、まだ抵抗しようとする、微かな希望の光が宿っていることを示唆しているかのようです。このままではいけない、という内なる声が、まだ「僕」の心の中に確かに存在していることを教えてくれます。
#### 「覚悟」の問い、そして肯定への兆し(謎1への答え)
サビは、この楽曲の核心を突く部分です。「明日はきっとあんぜ」という、やや自嘲的な、あるいは諦念を含んだ言葉で始まりながらも、「笑って泣いて 描いた探検家」というフレーズは、感情の起伏を全て含んだ上で、なお「探検家」として人生を歩もうとする強い意思を感じさせます。人生という未知の旅路において、喜びも悲しみも、成功も失敗も、すべてを経験として受け入れ、探求の対象としようとする姿勢です。涙を流しながらも、それでも前を向いて歩き続ける「僕」の姿は、私たちの心に深く響きます。
「誰かがいった誹謗や中傷なんてもんなら投げ捨ててな」という言葉は、他者の悪意ある言葉に囚われず、自分自身の価値観で生きることを選択しようとする決意の表れでしょう。インターネット社会において、匿名での誹謗中傷が蔓延する現代において、このメッセージは特に強い意味を持ちます。私たちが人生を歩む上で、他者の評価や批判は避けられないものですが、それに支配されることなく、自分自身を信じることが重要だと強く語りかけているかのようです。
「どこかで間違って 転んじまって腐ってないでさ」というフレーズは、完璧を求めるのではなく、過ちを犯し、転んでもそこから学び、腐ることなく立ち上がろうとする生命力に満ちています。失敗を恐れて何もできないよりも、失敗を経験し、そこから這い上がる力こそが人生を豊かにすると教えているようです。そして、「期待も不安もなんかも全部 全部を抱きしめた」という力強い言葉で、ポジティブな感情もネガティブな感情も、光も闇も、すべてを自分の一部として受け入れる自己受容の境地が示されます。これは、人生の複雑さ、多面性をまるごと肯定する、究極の肯定と言えるでしょう。
そして、このサビの終わりに繰り返される問いかけこそが、この曲のタイトルであり、最大のテーマです。「覚悟はあった」「覚悟は持ってるのか?」と。
**謎1への答え**:この楽曲における「覚悟」とは、傷つき、挫折し、理想と現実の乖離に苦しみながらも、自分の人生のすべて、つまり喜びも悲しみも、期待も不安も、成功も失敗も、他者の評価も自己の不完全さも、**そのすべてを丸ごと受け入れ、それでもなお前へと進み続けるという、自己肯定と未来への揺るぎない決意**を意味していると解釈できます。それは単なる勇気ではなく、自らの弱さも強さも知り尽くした上で、人生という名の航海に出る覚悟、そのものです。人生という荒波に立ち向かうための、心の準備、精神的な羅針盤と言い換えることもできるかもしれません。
#### 消耗される日常と内なる願い
二番に入ると、Aメロの冒頭で「時間にながれて流される中で それはそれは悪くはなかった」と、一見すると平和な日常が描かれます。しかし、「だけど息をしているだけ」「そんな日々はただ過ぎていった」という表現からは、生きてはいるものの、まるで呼吸をしているだけの空虚な時間であったことが示唆されます。情熱も目的もなく、ただ惰性で日々を消化していくような、透明な絶望感が漂います。
「愛想笑いですっとかわして 良い人ねなんて言われちゃって」という言葉からは、他者との関係において、本来の自分を押し殺し、表面的な優しさや都合の良い人間を演じてしまう「僕」の姿が見えます。周囲との摩擦を避け、波風立てずに生きるために演じた「良い人」という役割が、むしろ「案外痛いよ自分なんていない気がした」という深い孤独感と自己喪失に繋がっているという告白は、胸に突き刺さるものがあります。他者に合わせて生きることで、本来の自分を見失い、その存在が希薄になっていく痛み。それは、まるで自分の魂が少しずつ削られていくような感覚だったのではないでしょうか。
そんな中で、「譲れないものさえなんか漠然としてて」というフレーズは、何を守りたいのか、何を目指したいのか、その核となるものが曖昧になっている状態を描いています。日々の生活で「削られて行く」中で、「そんな事もままならない 自分自身を責めたりもした」と、自己肯定感が揺らぎ、自己嫌悪に陥る姿が切実に伝わってきます。しかし、その一方で、「だけど今の今も欲しいもの 心の奥にしまってあるよ」という言葉が、まだ消えずに残っている内なる希望や情熱の存在を示唆します。たとえそれが漠然としていても、心の奥底で光を放ち続ける、最後の砦のような願い。そして「まだ期待してしまっても良いかな?」という問いかけは、諦めきれない心の叫びであり、微かながらも光を求め続ける人間の本質を表しているようです。何度打ちのめされても、それでもまた立ち上がり、期待しようとする、人間らしい、健気な姿がそこにはあります。
#### 混沌の中での自己確立(謎2への答え)
二番Bメロのこの部分は、非常にドラマチックで挑発的なメッセージを含んでいます。「喧騒の真ん中 選んだ相手を貶して 笑い 見捨てんなよ セレクトしてんだよ」という言葉は、まるで世間の雑音や批判、あるいは自己の内なる否定的な声に対し、強く反論しているかのようです。自分が選んだ道や相手、価値観を、他者の「貶し」や「笑い」によって「見捨て」てはならない、と。これは、自己の選択を肯定し、貫き通すことの重要性を訴えかけているのでしょう。社会の同調圧力や、SNSなどでの無責任な意見に流されず、自分の信じる道を歩むことへの、強い呼びかけとして響きます。
「飾っていたいのかい?時代の真ん中 綺麗なままじゃいけないでしょう 乱れちゃえば?」というフレーズは、完璧さや無難さを求める現代社会への痛烈な皮肉であり、同時に、自分自身への問いかけでもあります。世間の期待に応え、無難に「飾って」生きることの虚しさ。時代や流行の「真ん中」で、常に「綺麗」でいることの不自然さ。そこから抜け出し、敢えて「乱れちゃえば?」と挑発的に問いかけることで、不完全さや個性、自分らしさを肯定することの価値を強く主張しています。これは、完璧ではない自分、型にはまらない自分を曝け出す勇気へと繋がります。この部分の「乱れちゃえば?」という言葉には、これまでの「僕」が抱えていた、他者の目を気にする自分からの解放、そしてありのままの自分を晒すことへの渇望が強く表れているように感じます。それはまるで、自らの殻を破り、内なるエネルギーを解き放つような、力強い宣言です。
**謎2への答え**:人生を諦めかけた「僕」が、それでも「覚悟」を持って描きたいと願うものは、**「乱れちゃえば?」という言葉に象徴される、世間の常識や他者の評価に囚われず、ありのままの不完全な自分を受け入れ、自分の心の奥底に秘めた「欲しいもの」を追求する、真に自由で、自分だけの「人生の物語」**です。それは、過去の失敗を恐れ、自分を隠してきた「僕」が、もう一度、自分自身の感性で世界を「探検」しようとする意志の表れであり、規範からの解放を強く望む心の叫びだと解釈できます。それは「僕」にとって、自己を再構築し、真のアイデンティティを確立するための、重要な転換点となる物語なのです。
#### 再度の問いと、世界への大航海(謎3への答え)
終盤、Cメロでは、「なんかシュンとしちゃって 不安になって 壊れかけた」と、再び精神的な不安定さが露呈します。一度覚悟を決めたかのように見えても、人間の心は常に揺れ動き、不安に襲われるものです。感情の波は、どんなに強い決意を持っても押し寄せてくる。それが人間というものの宿命であり、この「僕」もまた、その人間的な弱さを抱えていることが示されます。「神様 なんでこんなストーリーばっかりをあたえるのか?」という問いかけは、理不尽な現実や苦難に対する、神への不満と悲痛な叫びです。なぜ自分だけがこんなにも辛い経験をしなければならないのか、という、根源的な疑問が込められています。しかし、その直後に続く「それでも描きたいんだ」という言葉は、どんな困難があろうとも、自分自身の人生を創造し続けたいという、圧倒的なまでの生への執着と、強い意志を表明しています。このコントラストが、この楽曲の最大のドラマ性であり、胸を打つ部分だと感じます。絶望の淵に立たされながらも、ペンを握り、真っ白なキャンバスに自らの物語を描こうとする、そんな魂の輝きを見るかのようです。
そして、この曲の最も力強いメッセージの一つがここにあります。大サビ前のフレーズ「自分が描いた世界を大航海 だれかがなんかいってももだからなんだの?関係ない」。これは、他者の意見や批判、世間の常識に一切耳を傾けない、孤高の決意表明です。自分の心の中に描いた「世界」こそが、自らの進むべき道であり、そこへの「大航海」は、他者に左右されることなく、自らの意思で切り拓くべきものであると強く宣言しています。この「関係ない」という言葉には、これまで他者の視線を気にしてきた「僕」が、ついに自己確立を成し遂げた瞬間が凝縮されているかのようです。まさに、自分自身の羅針盤を信じ、未知の海へと漕ぎ出す船出のようです。
再びサビが繰り返され、「期待も不安もなんかも全部 全部を抱きしめた」という自己受容の言葉が響き渡ります。これは、もはや理想と現実の狭間で揺れ動くかつての「僕」ではなく、あらゆる感情、あらゆる経験を肯定的に受け止め、自己の全体像として抱きしめることができるようになった「僕」の姿を示しています。そして、最後に「覚悟はあった」「覚悟は持ってるのか?」という問いが二度繰り返されることで、この「覚悟」が一時的な感情ではなく、生涯にわたる問いであり、常に自分自身に問いかけ続け、更新し続けるべき信念であることが示唆されます。それは、一度決めたら終わりではなく、困難に直面するたびに自らに問い直し、その都度、強固にしていくべき、生き方そのものを示していると言えるでしょう。自己の存在を問い直し、すべての感情を受け入れ、自分だけの物語を紡ぐ。この「覚悟」こそが、不確かな時代を生きる私たちに必要な羅針盤なのかもしれません。
### 歌詞のここがピカイチ!
* 「明日はきっとあんぜ」という、一見するとネガティブにも取れるフレーズの後に「笑って泣いて 描いた探検家」と続く、感情の振幅の大きさと、それを乗り越えようとする意志の描写。単なる前向きな応援歌ではなく、人間の多面的な感情を全て肯定する姿勢が新鮮です。
* 「綺麗なままじゃいけないでしょう 乱れちゃえば?」という、社会の「こうあるべき」という規範や、SNSなどで見せがちな完璧な自分像への強烈なアンチテーゼ。不完全さや人間らしい混沌をむしろ推奨し、それを個性として受け入れるよう促すメッセージは、現代の若者たちの共感を深く呼ぶでしょう。
* 歌詞全体を貫く「覚悟は持ってるのか?」という問いかけが、単なる疑問形ではなく、自己への挑戦状として機能している点です。最終的に「関係ない」と言い切ることで、他者の評価から完全に解き放たれ、自分自身との対話によって覚悟を固めていく様は、非常に独自性があり、聴き手に強いインパクトを与えます。
### モチーフ解釈:人生を航海する「覚悟」
この楽曲のタイトルであり、歌詞の中で繰り返し問われる「覚悟」という言葉は、まさにこの曲全体の魂を象徴するモチーフです。辞書的な意味での「決意」や「諦め」だけでなく、この歌詞においては、より重層的な意味合いを持っています。
まず、「覚悟」は、日々の単調さや、理想と現実のギャップ、他者の評価といった困難な現実に直面し、時には挫折しそうになる「僕」が、それでもなお前向きな姿勢を保ち、自己の人生を受け入れるための**「精神的な準備」**として提示されます。それは、傷つくことを恐れず、むしろそれすらも「それだけ良いのさ」と肯定する達観した視点を含んでいます。
次に、「覚悟」は、自己の内なる「欲しいもの」を諦めず、他者の誹謗中傷や世間の期待に「関係ない」とまで言い切って、**「自分だけの人生の物語を創造し続ける決意」**へと昇華されます。特に「自分が描いた世界を大航海」という表現と結びつくことで、人生という不確かな旅路において、羅針盤を自ら握り、荒波を乗り越えていく「航海の覚悟」として鮮やかに描かれています。
このモチーフは、一度決めたら終わりではなく、困難に直面するたびに「覚悟は持ってるのか?」と自らに問い直し、その都度、その決意を更新し、強固にしていくべき、**「不断の自己確立のプロセス」**をも示唆しています。
つまり、「覚悟」とは、自己の不完全さも、世界の理不尽さも、すべてを丸ごと抱きしめ、それでもなお、自分自身の意志で人生を「生き抜く」という、深く、そして力強いメッセージを内包しているのです。それは、現代を生きる私たちが、自分らしい生き方を見つけるための、重要なヒントを与えてくれる、かけがえのないモチーフと言えるでしょう。
### 他の解釈のパターン
#### (1)「君」への届かぬ想いと自己との対話として
この歌詞を、明確な「君」という他者への届かぬ想いを抱えた「僕」の葛藤と、それに対する自己との対話として解釈するパターンです。歌詞に直接「君」という言葉は出てきませんが、「僕の欲しいもの」「選んだ相手を貶して 笑い 見捨てんなよ セレクトしてんだよ」といったフレーズは、特定の誰かとの関係性の中で生まれた感情と捉えることができます。
この解釈では、Aメロの冒頭の「何かもが消えてきそうな気がして」は、失いつつある「君」との絆や、その関係性への希望を表すと考えられます。「手に入れないままで過ぎてった」欲しいものは、他ならぬ「君」の心かもしれません。また、二番Aメロの「愛想笑いですっとかわして 良い人ねなんて言われちゃって」は、「君」に対して本心を明かせず、良い人でいることを強いられた「僕」の痛みを表現しているように読めます。
二番Bメロの「喧騒の真ん中 選んだ相手を貶して 笑い 見捨てんなよ セレクトしてんだよ」という言葉は、周囲がその「君」を悪く言っても、自分だけは「君」を選び、信じ続けたいという強い意思の表明であり、また「君」自身に対しても、自分を見捨てないでほしいという切実な願いとして響きます。最終的に大サビ前の「自分が描いた世界を大航海 だれかがなんかいってももだからなんだの?関係ない」というフレーズは、「君」への想いを貫くために、他者の評価を一切気にしない「僕」の覚悟と捉えられます。恋愛における自己犠牲や、片思いの切なさ、そしてその中でも「君」への純粋な覚悟を問い続ける物語として再構築されます。
#### (2)社会からの脱却と新しい時代の開拓者として
もう一つの解釈は、この歌詞を、既存の社会システムや価値観からの脱却を試みる、新しい時代の開拓者の物語として捉えるものです。「僕」は、現代社会の閉塞感や、個人の自由を抑圧する空気に対して異議を唱え、新たな世界を切り開こうとする意志を持った人物として描かれます。
Bメロの「もう世界とかだれか壊してよ」という叫びは、既存の社会構造への不満と、変化への強い願望を象徴しています。二番Aメロの「良い人ねなんて言われちゃって 案外痛いよ自分なんていない気がした」というフレーズは、社会の期待に応えようとすることで失われる個性を、痛烈に批判する声として解釈できます。
サビの「誰かがいった誹謗や中傷なんてもんなら投げ捨ててな」は、旧来の価値観や、保守的な意見に流されず、自分たちの信じる道を突き進む若者の反骨精神を表現していると読めます。二番Bメロの「綺麗なままじゃいけないでしょう 乱れちゃえば?」という言葉は、画一化された社会からの脱却を促し、多様性や個性を尊重する新しい価値観を提唱するメッセージとして強く響きます。
最終的に大サビ前の「自分が描いた世界を大航海 だれかがなんかいってももだからなんだの?関係ない」という部分は、自分たちのビジョンを信じ、他者の批判や社会の慣習に囚われることなく、新しい時代を創造していく開拓者たちの宣言として捉えることができます。この覚悟は、個人の内なる問いを超え、社会変革への情熱と結びつく、より大きなスケールの物語を描き出します。
## 歌詞の中で肯定的なニュアンスで使われている単語・否定的なニュアンスで使われている単語のリスト
#### 肯定的なニュアンスで使われている単語
* 歩いている
* 良いさ(傷ついたってそれだけ良いさ)
* 欲しいもの
* 希望
* 描いた
* 探検家
* 投げ捨ててな
* 転んじまって
* 腐ってないでさ
* 抱きしめた
* 覚悟
* 良いかな?(まだ期待してしまっても)
* セレクトしてんだよ
* 乱れちゃえば?
* 描きたいんだ
* 大航海
* 関係ない
#### 否定的なニュアンスで使われている単語
* 消えてきそうな(気がして)
* 繰り返し
* 何のために(生きているのかな?)
* 飽きて
* 手に入れないまま(過ぎてった)
* どうせこんなもん(だろうね)
* 虚しくて
* くだらない
* 怖いもん(なんてなくて)
* ミスをおそれて
* カッコ悪い
* 隠して
* 絡まって
* 立ち止まったまま
* 壊してよ
* つまらない
* 怖くなったか?
* 膝をつき仰いだまま
* 流される中で
* 息をしているだけ
* 過ぎていった
* 愛想笑い
* 良い人ねなんて(言われちゃって)
* 痛いよ
* いない気がした
* 譲れないものさえなんか漠然としてて
* 削られて行く
* 疲れて
* ままならない
* 責めたりもした
* 喧騒
* 貶して
* 笑い
* 見捨てんなよ
* 飾っていたいのかい?
* 綺麗なままじゃいけない
* シュンとしちゃって
* 不安になって
* 壊れかけた
* 神様(なんでこんなストーリーばっかりをあたえるのか?)
## 単語を連ねたストーリーの再描写
僕は繰り返しの日々に飽き、
消えてきそうな希望を抱え、
カッコ悪い自分を隠して立ち止まった。
世界を壊してよと願う中、
期待と不安を抱きしめ、覚悟を問う。
愛想笑い、譲れないものも漠然とする。
けれど、乱れちゃえば?
神様が与えるストーリーでも、
自分が描く世界を大航海すると決めた。
もう、関係ない。